シャコバサボテンの特徴と育て方!花が咲かない原因と対策は?

シャコバサボテン

シャコバサボテンはクリスマスの時期に美しい花を咲かせる植物です。

特徴や来年も花を咲かせるための手入れ方法など育て方のポイントについて調べたことをまとめました。

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シャコバサボテンの特徴

シャコバサボテン

シャコバサボテンはブラジル南東部原産、サボテン科の多年草です。

開花期:11~3月
草丈:15~40cm

少し肉厚で平べったい葉が特徴で葉の先に花を咲かせます。

別名のデンマークカクタスはデンマークで改良が進んだことから名付けられました。

12月頃に花を咲かせるのでクリスマスカクタスとも呼ばれます。

カニバサボテンとの違い

葉の形がカニの爪に似ていることから名付けられたカニバサボテンは近縁種です。

シャコバサボテン:茎節の突起が鋭くて大きい
カニバサボテン:両側に鋭い突起はありません

開花期にも違いがあります。
シャコバサボテン:秋
カニバサボテン:1~3月

最近は交雑種が増えているので区別するのは難しくなっているようです。

シャコバサボテンの育て方

シャコバサボテン

開花期間中、咲き終わった花は指でつまみ、ひねるようにして取り除きます。

その後、花がすべて咲き終わると休眠期に入ります。

最低でも5℃を保てる室内の明るい場所で冬越しさせましょう。

直接霜が当たったり凍ったりする場所は避けてください。

置き場所

冬場は室内の日当たりのよい場所、春~秋は屋外の半日陰で育てます。

ただし、夏場の直射日光は強すぎるので日陰で管理します。

水やり

4~8月頃までは土が乾いたらたっぷりと与えます。

花芽が分化する9月下旬~10月上旬の1ヶ月間は控えめにします。

冬は、2週間に1回を目安に控えめにします。

肥料

5~7月に置肥や緩効性肥料を月に1回与えるか、液体肥料を2週間に1回与えます。

8月以降は与えません。

病害虫

病害虫は特にありません。

シャコバサボテンの植え替え時期と方法

シャコバサボテンの鉢植え

適期は4月。最低気温が10℃以上の日が続くころに行います。

1~2年に1回を目安に、少なくとも3年目には植え替えをしましょう。

植えっぱなしにしておくと葉の間(茎の節)から根が出てくることがあります。

これは根に異常が起きていることが原因と考えられます。

①根詰まり
鉢の中に根がいっぱい詰まっている場合は大きな鉢に植え替える必要があります。

②根腐れ
根が変色したり、ふやけていたら腐っています。
腐った根を取り除き小さな鉢に植え替える必要があります。

③根の乾燥
土も根もカラカラに乾いていたら、鉢ごと水に30分以上つけておきます。

つける時間が長すぎると腐る恐れがあるので気をつけてください。

植え替え方法

古い鉢から株を引き抜いたら、根鉢を3分の1ほど崩して、ひと周り大きな鉢に植え付けます。

ただし、土を根が覆って型崩れしない時は、無理に土を落とさなくても大丈夫です。

古い土はそのままで、そっと鉢の中央にいれてください。

そして、新しい土を鉢底と側面・根の部分を覆うように入れましょう。

一方、株を引き抜いた時に土が鉢の中にたくさん残るようであれば、根に問題があります。

古い土をふるい落とし、新しい土に入れ替えて植え付けます。

その後2週間程度は、屋内で管理し肥料は与えず水やりも控えめにします。

植え替え時に葉摘みも一緒に行います。

シャコバサボテンの花後の手入れ

シャコバサボテン

花が咲き終わった株は、伸び放題になっていて茎節の長さもバラバラの状態です。

放っておくと開花時期もバラバラに広がって咲くのできれいに見えません。

バランスの良い形に整え、新しい葉を増やすために葉摘みという作業をおこないましょう。

やり方は、茎をつまみ軽くひねるだけ。これで簡単に摘むことができます。

どの茎節もそろうように葉の先端から1~2節目で摘み取りましょう。

摘んだところから新芽が2~3本伸びて、たくさんツボミをつけるようなります。

葉摘みは9月にも行います。

花は成熟した葉の先にしかつきません。

小さな新芽や節茎を摘み取ることで節茎の先端に花芽が付きやすくなり開花時期が揃います。

増やし方

シャコバサボテンの葉

挿し芽で増やすことができます。

4月の葉摘み作業で摘み取った茎節を利用するとよいでしょう。

摘み取った葉は2節単位(葉が2つ付いた状態)にしておきます。

土は市販のさし芽・タネまき用を使います。

翌年開花の株になるので、肥料は9月頃まで与え株をしっかり作ります。

挿し芽は、土に直接挿す方法と水苔を使う方法があります。

約1ヶ月で新芽が出てきます。

それまでの間は土や水苔を乾かさないように管理します。

【土に直接挿す方法】
下の葉が半分くらい用土に埋まるように挿します。
挿した後に、たっぷり水やりしましょう。
直射日光の当たらない明るい日陰に置きます。

【水苔を使う方法】
湿らせておいた水苔で葉の下の部分を包み輪ゴムで留めます。
これを鉢に入れ、周囲に水苔を詰めます。
直射日光の当らない明るい日陰に置きます。
乾かさないように時々霧吹きしながら管理します。

シャコバサボテンの花が咲かない原因と対策【短日処理】

シャコバサボテンの葉

花芽ができることを花芽が分化するといい、その時期を花芽分化期といいます。

関東では9月下旬から10月中旬になります。

ですから、9月上旬~下旬にかけて花芽ができやすい状態にしておく必要があります。

10月からは、できた花芽を蕾に育てていく大切な時期になります。

花を咲かせるための条件は3つ

・温度
・昼の長さ(日長)
・茎節の成熟

花芽分化とツボミの発達には夜の温度が15℃前後であることが必要です。

さらに短日植物なので1日の日照時間が12時間以下にならないと花芽ができません。

そして最先端の葉が充実していて、その先端部の成長が止まっていることも重要です。

最先端の茎節から新芽が出ていると花芽ができません。

茎節を成熟させるポイント

成長を止めて新しい葉状茎が発生しないように水やりを一時止めて育成を抑えます。

合わせて新しい葉状茎は摘み取ります。

こうして、花芽ができる成熟した茎節を多くします。

短日植物について

シャコバサボテン

シャコバサボテンは、明るい室内に置きっぱなしにしていると花を咲かせることはありません。

屋外でも街灯や門灯など明かりが当たる場所で管理していると開花しません。

理由はシャコバサボテンが短日植物だから。

短日植物とは、昼の長さ(日長)が一定の時間より短くなると花芽を作る性質を持った植物のことです。

日の出る時間が短くなっていく夏の終わりから秋にかけて花を咲かせるものが多いです。

カランコエ、菊、コスモス、アサガオ、ポインセチアなどがあります。

昼の長さがどれくらいになると花芽をつけるかは植物の種類によって異なります。

シャコバサボテンの場合は、昼の長さが12時間以下の状態が1ヶ月ほど続くと花芽が作られます。

短日処理を行う時期と期間

シャコバサボテン

短日処理とは、人工的に光を遮り日照時間を操作して花芽を作らせる方法です。

一般に、屋外の夜暗くなる場所に置いておくと自然に花芽を作ります。

しかし、街灯などがあって夜間暗い場所がないこともありますよね。

そんな場合は、短日処理をする必要があります。

作業自体は簡単です。

ダンボールなどで覆って日の光を遮ります。

1日の日照時間を10~12時間ほどになるよう調節していきます。

夕方6時頃から翌朝の8時くらいまで遮光すれば、12時間以上の夜の状態を創り出すことができます。

シャコバサボテンは昼の長さが短くなって約1ヶ月後に花芽をつけます。

ですから、期間は1ヶ月を目安にするとよいでしょう。

花芽がついていることが確認できたら短日処理を終了します。

シャコバサボテンの花芽は小さいうちは落ちやすいです。

花芽がついても置き場所はすぐには変えないようにしましょう。

ちなみに、1日でも日照時間が長い日があると花芽をつけるのは、その日から1ヶ月後になると言われています。

1ヶ月間、忘れないように頑張りましょう。

シャコバサボテンの花芽が落ちる理由と対処法

シャコバサボテンの鉢植え

花芽がポロポロと落ちる理由は3つあると考えられます。

①環境の変化(温度差)

寒い屋外から暖房の効いた暖かい屋内へ移動すると大きな温度差がストレスになって落ちることがあります。

また、屋内での温度差にも注意が必要です。

窓辺は日当たりのよい日中は良いのですが夜になると冷え込みます。

1日のうちで昼と夜の温度変化が激しすぎると花芽は一晩で全部落ちることもあるといわれています。

②水の過不足

水を与え過ぎると根腐れを起こして花芽が落ちることがあります。

また、極端な水切れによっても咲かずに落ちることがあります。

③日光不足

日光が足りないとせっかくできた蕾が咲かないうちに落ちてしまいます。

対処法

冬場は室内で管理しますが1日を通して室温が大きく変わらないように注意します。

目安として「12~18℃」くらいに保つようにするとよいでしょう。

置き場所をひんぱんに変えないことも大切です。

温度が高いと葉を伸ばそうとして花芽を落としてしまいます。

温度が低すぎると株が傷みます。

日中、暖かい窓際に置いている場合は夜になったら窓から離れた場所に置く必要があります。

窓際から1m離しただけでも温度はかなり違います。部屋の中央に置けば安心でしょう。

シャコバサボテンの栽培記録

シャコバサボテンのツボミ

2005年以前
家族が鉢植えを買ってくるが放置状態。
屋内に置きっぱなしで枯れることはないが花が咲かない。

2006年
偶然、少しだけ花が咲く。

2007年
鉢植えを屋外に出す。植え替えと葉摘みをする。
花芽が2~3ついたが大きくならなかった。

2008年
短日処理をする。
2~3日後にツボミがつきはじめ最終的に全体の葉先にツボミがつく。
12月に5~6つほど開花。
年末、寒波がやってきたときに防寒対策をしなかったため(5℃以下)大きくなったツボミが落ちてしまう。

2009年5月
株元が木化。灰色になっている部分がある。
挿し木をして新しい株を作りなおす。

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