キクザキイチゲの特徴と育て方【栽培記録】

キクザキイチゲの白い花

キクザキイチゲは早春に花を咲かせるスプリング・エフェメラル(春の妖精)のひとつ。

特徴と育て方、実際に栽培してみた記録をまとめました。

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キクザキイチゲの特徴

キクザキイチゲの花

キクザキイチゲ(Anemone pseudoaltaica)はキンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。

漢字では「菊咲一華」。キクに似た花を一輪つけることが名前の由来です。

自生地:北海道、東北から関東
草丈:10~30cm
花期:3~5月
花色:白・紫
別名:キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草)

【生育サイクル】
早春に芽を出し花を咲かせ、葉が茂ります。
夏には葉が枯れて地上部はなくなります。
翌年の春まで根茎の状態で休眠します。

※根茎とは根のように見える地下茎の一種。地中を這うように伸びた茎のこと。

キクザキイチゲの葉と地下茎

キクザキイチゲの葉と地下茎

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アズマイチゲはキクザキイチゲとよく似た植物ですが葉の形の違いで見分けることができます。

キクザキイチゲ
キクザキイチゲは、葉の切れ込みが深く、その葉をピンと水平に張ります。

アズマイチゲ
アズマイチゲは、葉の切れ込みが浅く、垂れ下がっています。

キクザキイチゲとアズマイチゲ、どちらも雪国、北国に多いですが好む気象条件に微妙な違いがあるそうです。

・新潟など豪雪地帯ではキクザキイチゲが多い
・雪が少なく冬の冷え込みが厳しい内陸ではアズマイチゲが多い
出典:2020年4月8日の陸奥新報「早春のスプリンター4 アズマイチゲ(いがりまさし さん)」

キクザキイチゲの育て方

キクザキイチゲの葉

地植えの場合、春は日当たりが良く、夏になると半日陰になるような落葉樹の下が適しています。

鉢植えの場合、春から初夏までは日当たりの良い場所で育てましょう。

ただし、夏は直射日光が当たらない軒下や木陰など風通しのよい日陰に移動させます。

【植え付け】
少し大きめの浅鉢に腐葉土などを混ぜた土で植え付けます。

【水やり】
地植えの場合、特に必要ありません。

鉢植えの場合、葉が出ている間は土が乾いたらたっぷりと与えます。

地上部が枯れたら土が乾ききらない程度に与えます。

【肥料】
葉が出ている間に薄い液体肥料を与えると翌年の花つきがよくなります。

【植え替え】
休眠中の秋が適期。

キクザキイチゲの栽培記録

育てているところ:東北地方北部(2009年~)
キクザキイチゲ、芽が出る

キクザキイチゲのツボミ

キクザキイチゲの青い花

キクザキイチゲ開花
4月上旬。
花びらに見えるのは萼片が変化したもの。朝に開き夕方に閉じます。

雨で花が閉じたままのキクザキイチゲ
雨や曇りの日は閉じたまま。
明るさによって開いたり閉じたりするようです。

キクザキイチゲの花後
花後。

キクザキイチゲ 花後、葉が茂る
葉が茂ってきました。

葉が枯れてきたキクザキイチゲ
5月中旬になると葉が枯れ始めます。

葉が枯れてきたキクザキイチゲ
気温が上昇すると一気に枯れてしまいます。
5月下旬には地上部はなくなってしまいました。

晩秋に芽を出したキクザキイチゲ
晩秋に暖かい日が続くと芽を出すことがありますが花が咲いたことはありません。

キクザキイチゲの根茎と新芽
根茎が混みあって地表面に出てきたら植え替えをしています。

キクザキイチゲの地下茎
ポッキリと折れてしまうことがあるので掘り起こす時は注意が必要。

キクザキイチゲの地下茎
株分けする場合は、枝分かれしたところから折るようにします。

キクザキイチゲの地下茎
折れてしまったものをそのまま植え付けても芽は出ます。

さいごに

キクザキイチゲの花

キクザキイチゲは、自宅の庭に昔から植えられていた植物ですが、ずっと名前が分からないまま。

スプリング・エフェメラルについて検索したときに、偶然、名前が分かりました。

せっかくなので、調べたことを書いておくことにしました。

キクザキイチゲの葉 4月
アズマイチゲかな?と迷ったのですが。

葉が深く切れ込んでいるように見えるのでキクザキイチゲで間違いないと個人的には思っています。

栽培といっても、特にこれといったことはしていません。

地植えにしておけば水やりしなくても肥料を与えなくても花を咲かせてくれます。

病害虫の被害もなく、植えっぱなしにしておける手間のかからない植物です。

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