ルピナスは空に向かって長い花穂に鈴なりの花をつける様子が印象的な植物です。
花が咲かない原因と対策、基本の育て方、栽培記録をまとめました。
ルピナスの花が咲かない原因と対策
秋にタネをまくと翌年または翌々年の春に開花します。
花が咲かない場合、次のようなことが原因として考えられます。
・タネまき時期の遅れ
・株が充実していない
・根が傷んでいる
・日光不足
タネまき時期の遅れ
タネまきが遅れて小さな苗のままだと冬の低温で花芽をつくることができません。
遅れた場合は翌々年の開花になります。
翌年に花を咲かせるためには適期にタネまきをすることが大切です。
温暖な地域では秋が適期。寒冷地では初夏のころまでにタネまきをします。
株が充実していない
株が大きく育っていないと花が咲かないことがあります。
もう一年育てて株を充実させましょう。
根が傷んでいる
移植を嫌う植物(直根性)です。
植え付けするときに根を傷めてしまうと花が咲かないことがあります。
日光不足
日当たりが悪いと花が咲きにくいです。
植え付ける時に日当たりの良い場所を選ぶのがポイント。
ルピナスの基本の育て方
北アメリカ原産、マメ科の多年草
草丈:20~150cm
開花期:4月下旬~6月
花色:白、赤、ピンク、オレンジ、黄、紫など
日当たりが良く乾燥気味の場所で育てましょう。
酸性の土壌では生育が悪くなります。
庭に植え付ける場合は、2週間ほど前に苦土石灰を混ぜて酸性を中和しておきます。
タネから育てることもできますが苗を購入したほうが簡単です。
水やりと肥料
地植えの場合、特に水やりの必要はありません。
鉢植えの場合、表土が乾いてから与えます。過湿にすると根腐れを起こすので注意しましょう。
肥料は特に必要ありません。与える場合は緩効性肥料を少量にします。
植え替え
直根性といって、太い根が枝分かれすることなく土中まっすぐ下に伸びていく性質を持っています。
根にダメージを受けると株が弱ってしまい根付かないことがあります。
植え替えの回数を少なくするために、庭や鉢に直接タネをまいて育てるとよいでしょう。
ポットにタネまきをして苗を育てる場合は、苗が小さいうちに鉢または地面に植え付けたほうがよいです。
病害虫
目立った病気の心配はほとんどありません。
害虫もあまり見られませんが、時々アブラムシやハダニがつきます。
花後の管理
花が咲き終わったら花茎を付け根の部分で切り取りましょう。
枯れた花をそのままにしておくと株の養分がタネを作るほうに回るため弱ってしまいます。
タネを収穫しないのであれば花茎は早めに切ったほうがよいです。
葉は自然に枯れるまで残しておきます。
夏越し・冬越し
暑さに弱く、25℃で生育が止まり30℃以上になると枯れてしまうといわれています。
温暖地では夏越しできず1年草として扱われます。
夏涼しく、水はけのよい環境であれば夏越しは可能。
寒さには強いので冬の防寒対策は必要ありません。
寒冷地では多年草として毎年花を楽しむことができます。
ルピナスの栽培記録
2008年、6月中旬、ホームセンターに苗がなかったのでタネから育てることにしました。
6月下旬にタネまきをしたら5日目で発芽。
2ヶ月半後、苗は7~8cmほどに生長。
9月中旬に庭と鉢に植え付けました。
2009年5月下旬、花が咲き始めました。
去年6月にタネをまき秋に地植えしたので開花まで1年かかったことになります。
不思議なのは同じ場所に植えたのに株の大きさに違いがあること。
ちなみに庭に植える場所がなくて鉢植えにしたものが一番小さいです。
地植えと比べると約半分の大きさでした。
さいごに
ルピナスの花が咲かない原因と対策、基本の育て方について調べたことをまとめました。
実際に育ててみた様子も備忘録として書いています。
ルピナスに興味を持ったきっかけはNHKで放送された「喜びは創りだすもの ターシャ・テューダー四季の庭」という番組。
番組内でターシャさんが語ったところによると…。
ルピナスがアメリカ全土で見ることができるようになったのは電話の発明で有名なグラハム・ベル氏のおかげなのだとか。
彼はポケットにタネを入れ、行く先々でまいたのでアメリカの広範囲で育っていったという話です。
ターシャのお母さんとベル氏の娘さんが友達で、直接、聞いたそうですから信憑性があります。
そして、ターシャさんも広い土地を手に入れたときにルピナスのタネをまいたのだそうです。
タネをまき続け村をルピナスの花でいっぱいにした女性のお話だそうです。
日本でもルピナスの名所は各地にあります。
例えば、「国営武蔵丘陵森林公園」は関東で最大級。
北海道の「四季彩の丘」は広い大地一面が赤、ピンク、黄色などカラフルに染まる絶景を眺められるとか。
機会があったら訪れてみたいものですね。