洋菊のスプレーマム(スプレー菊)の特徴と育て方について調べたことをまとめました。
お盆のお墓参り用に8月咲きスプレーマムを栽培した記録も紹介します。
スプレーマムの特徴
スプレーマムとは日本の菊が海外に渡って改良された園芸品種のこと。
日本の「和菊」に対してヨーロッパやアメリカで作られた品種は「洋菊」と呼ばれることがあります。
スプレーは英語のスプレー(spray)。分枝という意味。
茎の上部で枝先が分かれて多数の花をつける性質のことをいいます。
菊は英語でクリサンセマム(chrysanthemum)。略してマム(mum)。
スプレー状に花を咲かせる菊 ⇒ スプレーマムというわけです。
開花期は品種によって異なりますが秋咲き(秋菊)が多いです。
夏咲き(夏菊)は、7月咲き、8月咲き、お盆咲きなどの名称で販売されることもあります。
スプレーマムの育て方
肥沃な水はけのよい用土に植え付け、日当たりの良い場所で育てます。
秋咲きの品種は3~4月下旬頃に植え付け。
夏咲きの品種はラベルに表示された時期に植え付けましょう。
鉢植えの水やりは、土の表面が乾いたらたっぷり与えます。
地植えでは特に水やりの必要はありません。
肥料は、緩効性肥料を月に1回。または、液肥を週に1回与えます。
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夏菊・お盆咲き菊の育て方
一般的に菊は秋に咲く秋というイメージ。
6月咲き、7月咲き、8月咲きの品種をホームセンターで見つけ、はじめて夏に開花する菊があることを知りました。
お盆の墓参り用に8月咲きのポット苗を購入。鉢植えと地植えにしました。
・一重咲のディーノ(黄色)
・一重咲のマルフィール(白)
・二色咲のグラナ(白で中心部が濃いピンク)
ラベルに「4月中旬~5月上旬を目処に摘芯」と書かれていたのですが植え付けたのが5月上旬。
なので摘芯するタイミングが分からず放っておいたところ…。
黄色と二色咲きの2つがどんどん伸びて8月上旬には草丈が1mを超えてしまいました(白は約60cm)。
草丈は60~90cmと書いてあったのですが摘芯しなかったのが原因でしょう。
放っておいたら強風で根元からポッキリ。
草丈が高くなったら支柱を立てないといけませんね。
ツボミをつけたのが7月下旬。開花したのは8月中旬。
お盆のお墓参りには間に合いませんでしたが…。
ちゃんと8月中に咲いてくれたので妙に感心してしまいました。
8月咲き品種がお盆に間に合わないなら7月咲き品種なら大丈夫かもしれません。
来年は7月咲きを育ててみたいと考えています。
夏秋菊の開花が遅れる理由は高温障害?
2018年頃からでしょうか。
「輪ギクやスプレーギクは特に夜間の温度が高すぎると成長が鈍る」というネットのニュースを見ることが何度かありました。
・7月に熱帯夜となる日が多く、開花が遅れてお盆の時期に間に合わない
・9月上旬までの猛暑が影響し生育が遅れ秋彼岸の墓参りに間に合わない
菊の生産者さんにとっては大問題ですよね。
夏秋ギクの開花遅延について 2012-02-01
キクの開花は、品種のもつ日長と温度に対する反応特性によって決まります。
7月~8月に自然開花する品種群では、その開花が生育期間中の温度の影響を比較的強く受け、花芽分化・発達期に平年より気温が高く推移すると、高温の影響により開花遅延を起こします。
一方、この時期に気温が平年より低く推移すると開花期が早まることも考えられます。
出典:農業温暖化ネット
菊が開花するには気温や日照時間が大きく関わってきます。
夏菊は積算温度、夏秋菊は積算温度と日照時間、秋菊は日照時間が要因です。
秋咲スプレー菊の場合、お盆を過ぎる頃から急に涼しくなった場合、早く咲く傾向にあります。
また、その逆もあり、8月咲きで猛暑の場合は、高温障害で花が咲かなくなることもあります。
出典:タキイネット通販
我が家の8月咲きスプレー菊、年によって開花時期が違います。
2021年の咲き始めは9月中旬、満開となったのは秋彼岸の頃でした。
寒冷地で気温が低く生育に遅れがでた?それとも天気の悪い日が多くて日光不足?などと思っていたのですが。
気温が高くて花が咲かなくなることもあるんですね。
【追記】
2023年8月は観測史上最も暑い夏だったようです。
8月12日を除く30日間、30℃超え。
35℃以上の猛暑日は11日間で最多更新。
もうすぐ彼岸の入りだというのに花は咲きそうにありません。
さいごに
スプレー菊の特徴と育て方、8月咲き品種の栽培記録をまとめました。
2021年11月9日。花が咲き終わり20cmほどに切り詰めたあとツボミをつけ開花。
同じ株とは思えないくらい花色が違うのでビックリ。
2021年11月22日。紅葉もきれい。
6月より10月開花時のほうが色濃く鮮やかな花色となり、まるで別の花に見違えるほどです。
⇒二度咲き変わり菊の栽培記録
二度咲き菊と同じようなことがスプレー菊でも起こるようです。
秋に咲くバラの特徴のひとつは、花の色が鮮やかで濃いということ。
この理由は、夏の間はあまりたくさん水分を蓄えられないため、秋バラは水の吸い上げが少ないからです。
なかには、春の開花時とは違った色味の花を咲かせるバラも。
例えば、春には薄いピンク色だったバラが、秋にはライラック色に近い濃い色調の花を咲かせます。
出典:
【バラの育て方・栽培】いよいよ秋バラの開花時期!10月にすべきバラのお手入れ
(https://www.hyponex.co.jp/plantia/search/4698)
バラの花色が春と秋では違うという話をきいたことがあります。
菊の花色が違うのも同じ理由なのかもしれません。