ナナカマドは、夏の白い花、秋の紅葉、雪が降るころになっても枝先に残っている赤い実と見所の多い庭木です。
特徴と育て方について調べたことをまとめました。
ナナカマドの特徴
ナナカマドは北海道~九州、南千島、サハリン、朝鮮半島が原産地のバラ科の落葉樹。
樹高:6~15m
開花時期:6~7月
実の観賞期:9~11月
漢字では「七竈」と書きます。
名前の由来は、7回、竈(かまど)に入れても炭にならないほど燃えにくい木という説が一般的です。
別名、ライデンボク、オヤマサンショウ、ヤマエンジュとも呼ばれます。
寒冷地の高山の植物で寒さに強く暑さには弱い特徴があります。
北海道や東北では問題なく育ち、街路樹や庭木として利用されることが多いです。
一方、温暖な地域では生育が悪い、紅葉の色づきが悪い、実がなりにくいといわれています。
直径1cmくらいの白い小さな花を枝の先に房状に咲かせます。
花後には5mmくらいの実をつけます。
秋になると熟して赤く色づきます。
落葉後も赤い実は残っています。
ナナカマドの育て方
苗木の植え付け適期は落葉期の11~3月。
日当たりと水はけが良い場所に植え付けましょう。
鉢植えの場合は市販の草花用培養土を使います。
実生・挿し木で増やすことができます。
水やり
地植えの場合は、特に必要ありません。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、たっぷりと与えます。
病害虫
寒冷地では特にありません。
暖地では黒斑病、うどんこ病、アブラムシなどに注意が必要です。
剪定
自然樹形が美しいので剪定は特に必要ありません。
混みあった枝を間引く程度。
枝の付け根から切り落とすようにすると自然な感じに仕上がります。
適期は11~3月。
ナナカマドの実は食べられる?
実は夏の終わり頃になると熟しはじめ秋にはキレイな赤色になります。
一見、美味しそうに見えますね。
しかし、ナナカマドの実には毒があるそうです。
毒性は強くありませんが食用には適しません。
でも、鳥は実を食べていますね。
毒は大丈夫なのでしょうか?
じつは、秋に実が赤く色づいても、鳥はすぐに食べないそうです。
食べ始めるのは真冬になってから。
ナナカマドの実は寒さによって凍ることにより毒が抜け苦味がなくなるといわれています。
つまり、鳥が真冬以降にナナカマドの実を食べるのには、ちゃんとした理由があったということなんですね。
ナナカマドの実には、雪が積もっても腐らずに赤いままという不思議な性質があります。
フランスのある研究者が理由を調べてみたところ成熟していない実に含まれるソルビン酸という成分によって実が腐らないということをつきとめたのだそうです。
食品業界では、このソルビン酸のしくみを利用して細菌やカビの増殖を防ぐ保存料として使用しているそうです。
参考サイト
北海道の木のえほん8 ナナカマド
さいごに
ナナカマドの特徴と育て方について書きました。
青森では街路樹として見かけることが多い樹木です。
赤い実のイメージが強くて初夏に咲く花は見落としがち。
鳥が実の食べごろを知っているなんて面白いですね。
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