多肉植物のなかには秋になって気温が下がってくると葉の色を変える種類があります。
モミジなどの落葉樹と違って紅葉が終わっても葉が落ちることはありません。
冬を過ぎると、また元の色に戻っていきます。
多肉植物をきれいに紅葉させるポイントと栽培記録をまとめました。
多肉植物をきれいに紅葉させる3つのポイント
クラッスラ属、エケベリア属、セダム属などベンケイソウ科の仲間には、赤・ピンク・オレンジ・黄などに紅葉する種類が多いです。
「日光」「気温(温度)「水やり」の3つがきれいに紅葉させるポイント。
日光
春と秋は十分に日光に当てましょう。
夏の間は半日陰で管理します。
気温
気温が下がってくると色づきはじめます。
暖かい部屋だと夏からの温度差が少ないため、紅葉しにくいようです。
屋内で管理する場合は、できるだけ暖房器具のない部屋に置くようにしましょう。
水やり
寒くなるにしたがって水やりは控えめにします。
土が乾いてしまってから、数日後に与えるようにしましょう。
紅葉する多肉植物の栽培記録
※栽培しているところ:東北地方北部
春から秋までは屋外。冬は屋内で管理。
クラッスラ 火祭り(ヒマツリ)
火祭りは紅葉が楽しめる多肉植物の代表的な品種です。
・ベンケイソウ科クラッスラ属
・原産地:南アフリカ
・生育タイプ:春秋生育型
秋から冬にかけて紅葉し、夏になると緑色に戻ります。
紅葉のメカニズムには諸説ありますが、詳しいことは分かっていません。
常緑樹の紅葉と同じように寒さによるストレスが原因とも考えられています。
⇒ ナンテン(南天)の特徴と育て方【栽培記録】
・屋外に置き、よく日に当てる
・水やり・肥料は控えめ
・寒い地域では冬は屋内
※日光不足になると徒長しやすい
※秋に肥料分が残っていると紅葉しにくい
栽培記録
2015年3月。100均で購入。
茎はヒョロヒョロ、葉はボロボロの状態。
伸びてしまった部分は元に戻りません。
見ばえをよくするために切り戻しをしたいと思います。
切った茎は挿し芽に使います。
徒長とは葉と葉の間が空いて間伸びしていたり茎が細長くヒョロヒョロした状態のこと。
・日照不足
・水の与えすぎ
・肥料の与えすぎ
などが原因として考えられます。
一年中、室内に置きっぱなしになっていないでしょうか。
また、日照時間が短い冬は徒長しやすい時期といえます。
徒長がよくないのは見た目が悪くなるだけではありません。
害虫がつきやすくなったり、病気にかかりやすくなったりすることもあります。
元気に生長させるためにも徒長させないことが大切です。
2015年11月下旬。ソファの陰に転がっている火祭りを発見。
幸い、ダメージはありませんでした。
犯人!
普段、手出しをしないから大丈夫と安心していてはダメですね。
冬に室内に取り込んだら、どこに置くべきか悩みます。
天井から吊るすとか?
その後、寒くなっても葉色は変化しませんでした。
紅葉が見られず、ちょっと残念。
翌年4月、暖かくなり春の日差しをたっぷり浴びたらきれいに紅葉してくれました。
青森県では冬の日差しは弱いので日照不足だったのかもしれません。
栽培している間、変化したのは葉色だけ。花を咲かせることはありませんでした。
クラッスラ 赤鬼城(アカオニジョウ)
火祭りと同じ春秋生育型のクラッスラ属。紅葉が楽しめます。
栽培記録【2014~2019年】
2014年10月、スーパーの園芸コーナーで購入。
飼い猫対策としてフェイクの多肉と一緒に飾ってみました。
冬の間は緑色のまま。紅葉しませんでした。
2015年。春になって室内から日当たりのよい屋外に移動したら赤くなり始めました。
寒冷地なので冬場はどうしても日光不足になってしまいます。
秋から冬にかけて紅葉しなかったのは当然だったのかもしれません。
春になり日光に当たる時間が増えたことが紅葉した理由として考えられます。
とはいえ、多肉植物の「虹の玉」は日光に当たる時間が少なくても冬に紅葉しました。
品種による違いかもしれません。
6月、切り戻しした茎を挿し芽をしたら、数日後に紅葉しました。
親株は切り口付近から芽が出始め、順調に生長しています。
2015年8月下旬。
挿し芽は屋外の日当たりのよい場所に置きました。
茎はどんどん伸びていきます。
・徒長したのかな?
・切ってしまったほうがいいのかな?
そう思って様子をみていたら、先端に花芽らしきものができていました。
9月になっても赤く色づいた状態は続いています。
10月。1mmほどの小さな花が咲きました。
赤鬼城の花(花茎の長さは約25cm)。手前は火祭り。
花茎はねじれているのが特徴。
開花期間は、夏の終わり~秋の中頃まで。
咲き終わった花茎は根元から切り取ります。
寒くなったので鉢植えを屋内に取り込みました。
冬なのに新芽が出ています。中心部の緑の部分、少しずつ伸びています。
部屋の中が暖かいからでしょうか?
例年、寒さが厳しい時期は発泡スチロールの箱に入れ、暖房のない廊下に置いて冬越しさせています。
ところが、2019年2月に寒波到来。真冬日がしばらくの間続きました。
いつもなら5℃前後はある場所が、一日中、0℃まで冷え込んだため、凍ってしまいました。
火祭り。ダメージは赤鬼城より大きかったです。
火祭りの葉のふちが黒ずんでいます。
数日後、茶色になった部分はカビが生えたり、融けてグズグズの状態に。
復活することはできませんでした。
赤鬼城と火祭りの違い
写真の火祭りは2015年3月に100均で購入した株から茎を切り取って挿し芽したもの。
個人的には、全体に赤鬼城のほうが小さくカッチリと締まっているイメージ。
実際に育ててみて感じた違いは以下の通り
葉の大きさ:火祭りより赤鬼城のほうが少し小さい
葉の硬さ:赤鬼城のほうが硬い
耐寒性:赤鬼城のほうが寒さに強い
右上・右下が火祭り、左上が赤鬼城、左下が姫シュウレイ。
紅葉のしかたにも違いがみられました。
【火祭り】
夏場、葉のふちが赤みがかってきましたが全体的に緑色のまま。
寒さが厳しくなってから紅葉が始まりました。
【赤鬼城】
夏場でも赤い状態が続きました。
さいごに
紅葉する多肉植物、火祭りと赤鬼城についてまとめました。
きれいに紅葉させるには寒さだけでは不十分。
十分に日光に当てることがポイントですね。