コリウスはカラフルな葉色をメインに楽しむ植物です。
暑さに強く観賞期間が長いので初夏から秋にかけての花壇に欠かせません。
日常の手入れと挿し芽苗の成長記録をまとめました。
コリウスの特徴
コリウスは、東南アジア原産のシソ科の植物。
本来は多年草ですが寒さに弱いので日本では一年草として扱われています。
最低温度が15℃以上であれば戸外で育てることができ、20~30℃で元気に生育します。
観賞期:6~10月
草丈:20~100cm
葉色:赤、黄、白、ピンク、紫など。単色、斑入り葉があります。
葉の形:シソの葉に似ているもの、ギザギザに深く切り込んだもの、細長くて葉先がとがったものなど。
「種から育てる種子系」と「挿し木で増やす栄養系」の2つに分けられます。
種子系は花が咲きやすいのが特徴。
栄養系は花が咲きにくく株が大きくなりやすいのが特徴です。
楽しみ方
花壇にそのまま植えるほか、寄せ植えやスタンダード仕立てにして楽しむことができます。
スタンダード仕立て
幹を伸ばして上の方にだけ葉を茂らせること。
・5号鉢に苗を植える
・葉が茂ったら(約1ヶ月後)、株元から約15cmの高さまでの葉を切り取る
・株元近くをひもで結んでまとめておく
・約2~3ヶ月後、8号鉢に植え替える
・全体を球状に整える
・形を維持するために芽先はこまめに切るのがポイント
ツリー仕立て
クリスマスツリーのような三角形に茂らせること。
下葉を残したまま1~3本ほどの太い茎を伸ばして形を整えます。
乾きすぎると下葉が落ちてしまいます。水切れさせないように注意しましょう。
コリウスの日常の手入れ
春から出回る苗を購入して育てると簡単です。
植え付け
根が傷むと株が弱ってしまうことがあります。
ポット苗は、根鉢をくずさずにそのまま植え付けましょう。
地植えの場合は、事前に腐葉土を混ぜ込んで水はけを良くしておきます。
さらに元肥として緩効性化成肥料を少量混ぜ込みます。
鉢植えの場合は市販の草花用培養土を使うと簡単です。
置き場所
日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。
ただし、夏場の強い直射日光では葉色があせることがあります。
鉢植えは半日陰に移動させましょう。
一時的に葉色が悪くなった場合でも秋になれば再び鮮やかな葉色になることもあります。
肥料
植え付けた後、1ヶ月過ぎたら、定期的に追肥をします。
緩効性化成肥料なら月に1回、液体肥料なら2週間に1回与えましょう。
肥料切れを起こすと葉色が薄くなることがあります。
水やり
地植えの場合、特に必要ありません。
鉢植えの場合、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水を与えましょう。
極端に乾くと葉がしおれたり下葉が落ちたりします。
水切れさせないように注意が必要です。
摘芯
株全体の姿を整えたい場合や大きくしたくない場合は摘芯をおこないましょう。
目安は、1週間から2週間に1回。
・本葉が10枚くらいになったら頂点の芽を摘み取る
・下の方からわき芽が伸びてくる
・また、頂点の芽を摘み取る
繰り返すことでバランスよくまとまった株になります。
花摘み
夏から秋にかけて小さな花を穂状に咲かせます。
花も楽しみたい、種を採りたいという場合はそのまま花を咲かせて問題ありません。
ただし、花が咲くと養分を取られ葉色が薄くなってしまいます。
カラーリーフとして楽しみたい場合は花が咲く前に摘み取りましょう。
害虫
ヨトウムシ、ナメクジ、ハダニが発生することがあります。
ハダニは高温乾燥期に発生します。
葉裏にもしっかりと水をかけてやることで予防できます。
増やし方
挿し芽で増やすことができます。
気温の高い時期ならいつでも可能。適期は6~8月。時期が遅いとあまり育ちません。
・茎の先端から7cmくらいに切る
・下の方の葉を取り除く
・水はけのよい土にさす
・土が乾かないようにして明るい日陰で管理
※気温が高い時期なら2週間くらいで根が出ます。
【水ざし】
水を入れたコップに切り取った茎を入れておくだけでも発根します。
水の中には葉が浸からないようにします。
根が出るまでの間、水はこまめにかえるのがポイント。
・水ざしして3週間ほど経ったもの。
・緑葉は順調に根が伸びましたが赤い葉のほうは根の伸びが遅いです。
冬越し
10℃以下になると葉が落ち始め、霜に当たると葉が枯れてしまいます。
冬越しさせる場合は、霜が降りる前、11月頃に室内に取り込みます。
室内では日当たりが良く暖かい場所に置き、最低でも10℃以上で管理します。
コリウスの栽培記録2022
※栽培地域:東北地方北部
・6月下旬。ポット苗を購入。雨の日が続き、しばらく放置。
・7月上旬。庭に植え付け。
・2ヶ月後の草姿。
【挿し芽した苗の生育状況】
※2週間経った苗
・8月25日。花芽が出る
・9月7日。
・8月24日。発根した茎を地植え。
・翌日、日光が当たったら葉がしおれてしまう。水やりをしたら回復。
・ポットに植えっぱなしのものと比較。親株は同じなのに斑の入り方が違うのが面白い。
・9月10日。花芽がつく。
・10月6日。最高気温20℃以下、最低気温10℃を下回るようになったので室内に取り込む。
・10月28日。
最低気温5℃を下回る日もあり朝晩の冷え込みが厳しい。
地植えしている赤葉の品種は枯れてしまった。
緑葉は、まだ元気。
・11月8日。
置き場所:玄関。気温6~10℃
日光不足と寒さのせいで赤葉の品種は次々と葉が枯れ落ちスカスカ。
緑葉は新しく伸びた葉の色が薄い。
・12月17日。
置き場所:トイレ(暖房器具 設置)。気温10℃
赤葉は枯れてしまった。
緑葉も葉の一部が茶色になり、しおれて落ちるものが増えてきた。
・2月1日。緑葉、最後の1株。
・2月23日。枯れる。2月中、寒波が何度もやってきて冷え込みが厳しい日が続いたことが原因かも。
さいごに
コリウスの特徴と日常の手入れ、栽培記録をまとめました。
庭でカラーリーフが楽しめるのは7月から10月上旬の約3ヶ月。
寒冷地でも夏場は35℃近くまで気温が上がることもあります。
暑い時期に手入れ不要で放っておける植物があるのは嬉しいですね。
10年以上前に育てた時は摘芯することも知らずに植えっぱなし。
2022年は摘芯して挿し芽も試してみました。
ただ、8月に挿し芽は時期的に遅かったようで、あまり大きく育ちませんでした。
室内に取り込んで冬越しできるか試してみましたが、これは失敗。
うまくいけば来年は苗を購入しないですむかも…と思っていましたが無理でした。
今後、苗を購入する機会があれば、スタンダード仕立てやツリー仕立てに挑戦してみたいと考えています。
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