春に芽を出した雑草は初夏に種をつけます。
ですから、それまでに取り終えるようにすると、夏の暑い時期に草取りの時間が少なくて済むという話をききました。
しかし、春に根こそぎ、きれいに取った場所でも、しばらくするとまたどんどん生えてきます。
根から抜き取ったのになぜ?と思いましたね。
雑草はどこからやってくるのか調べてみました。
雑草が種を蒔かないのに生えてくるのは何故?
画像出典:https://kids.gakken.co.jp/kagaku/110ban/text/1376.html
春になって暖かくなると花壇の宿根草よりも先に雑草が生えてくることがよくありますね。
種を蒔かないのに、どこからやってきたのだろう?と不思議に思ってしまいます。
しかし、種がないのに芽が出てくることは絶対にありません。
どこかに種があったか、それとも、地面の下に茎や根がかくれていたか。
この2つのうちのどちらかが考えられます。
一般的に雑草の種は小さいものが多いです。
土の上にあっても気がつかないことがほとんどでしょう。
また、タンポポの種のように風に乗って飛んできたり、オオバコの種のように人の靴について移動するなど他の場所から運びこまれるものも少なくありません。
さらに、地面の下に根が隠れているということもあります。
多年草の場合なら、冬の間、地上部の葉や茎が枯れても地面の下に根が残っているので、春になると芽を出すというわけです。
自分で移動することができない植物が生き残るため、
また、分布拡大の意味からも「種」はある程度、遠くへ運ばれる必要があるのだそうです。
これを難しい言葉でいえば「種子散布」というのだとか。散布の方法は「風」「動物」「海流」など。
ホウセンカのように機械的に種子を飛ばす仕組みを発達させた植物もあります。
雑草の種が休眠する理由
私たちが、食用や観賞用として育てている園芸植物は、一斉に芽が出るように改良されています。
しかし、雑草は一斉に発芽するのではありません。
休眠する種もあるのだそうです。
庭の草取りを済ませてきれいになったと思っていても…。
土の中には眠っている種がたくさんあって時期をずらして芽がでてきます。
一度に全部の芽が出てしまうと、人間に刈り取られたり、自然災害などで根絶やしという可能性もあります。
発芽の時期がずれることで自分たちの種族(?)が途絶えるのを防ぐ仕組みなのです。
雑草の生き延びる知恵は素晴らしいものですね!
とはいえ、人間の方からすれば、この時間差攻撃に負けてしまい庭が雑草だらけということになります。
参考書籍↓ ↓ ↓
雑草の根の働き・役割
除草、草刈りといえば「雑草を根こそぎ取ってしまうもの」と思い込んでいましたが。
根には以下のような働きもあります。
・空き地、裸地の砂ぼこりを防ぐ
場所によっては、あえて雑草を残したほうがよい場合もあるようです。
法面が崩れるのを防ぐ(土留め)
法面では雑草の根によって土がしっかりと保たれています。
雑草を根こそぎ取ってしまうと雨などにより表面の土砂が流れて法面が崩れる恐れがあります。
※法面とは土を盛って作った斜面のこと
空き地、裸地の砂ぼこりを防ぐ
空き地の雑草を根こそぎ取って裸地になると風が強い日は砂ぼこりが舞い上がることがあります。
草丈の低い雑草やグランドカバープランツなど何かしらの植物が根を張っているほうが砂ぼこり対策になるようです。
畑や家庭菜園では「雑草の根を残して刈る」という方法もあります。
・枯れた根は微生物に分解されて土の栄養になる
・根があった部分は土の中で空洞として残るので土がフカフカになる
刈り取った草はマルチングや堆肥に活用できます。
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さいごに
取っても取っても生えてくる雑草。
種を蒔かないのに雑草が生えてくるのが不思議だったので調べたことをまとめました。
植物が生き残るためにいろいろな手段を講じているのがとても興味深かったです。
とはいえ、花壇の中に雑草が生い茂るのだけは勘弁してもらいたいですね。
甲斐信枝(かい のぶえ)さんの代表作。ロングセラーの「科学絵本」です。
畑だった空き地を借り、人や犬に荒らされないよう金網をめぐらせて観察した雑草の栄枯盛衰が描かれています。
1年目の春に勢いよく育った植物が2年目の春にも同じように育つわけではありません。
雑草の見方が変わってきます。
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