シラン(紫蘭)は紫色の花を咲かせる日本原産のラン。
可憐な花とササのような葉をもち、スッキリとした草姿が特徴です。
シランの特徴と育て方についてまとめました。栽培記録も書いています。
シランの特徴
シランは、日本、台湾、中国などが原産地のラン科の多年草。
開花時期:4~6月
草丈:20~60cm
花色:紫、白
耐寒性・耐暑性:強い
【生育サイクル】
・春に芽を出し成長する
・春~初夏にかけて花を咲かせる
・秋に黄葉
・冬は地上部が枯れて地下茎の状態で休眠
ちなみに、シランは「ミリタリン」というアレロパシー物質を出して周囲の植物の成長を妨げるのだそうです。
⇒出典:植物のすさまじい生存競争 巧妙な仕組みと工夫で生き残る【電子書籍】[ 田中 修 ]
アレロパシー(英語: Allelopathy)とは、ある植物が他の植物の生長を抑える物質(アレロケミカル)を放出したり、あるいは動物や微生物を防いだり、あるいは引き寄せたりする効果の総称。邦訳では「他感作用」という。
出典:ウィキペディア
アレロパシーを持つ植物としてよく知られているものには
・セイタカアワダチソウ
・ヘアリーベッチ
・ヒガンバナ
などがあるようです。
グランドカバーとして利用した場合、草取りが楽になるかもしれません。
シランの育て方
日当たりを好みますが、半日陰でも花を咲かせるので日陰の庭でも楽しめます。
植え付けの適期は3~5月と9~10月。
暑さに強く地植えのままで夏越しできます。
ただ、品種によっては夏の直射日光で葉焼けをすることがあるようです。
鉢植えの場合、夏場は半日陰に移動させるとよいでしょう。
寒さにも強いので特に防寒対策をしなくても戸外で冬越しできます。
水やり
地植えの場合は特に水やりの必要はありません。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりと与えます。
肥料
植え付けるときに用土に緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。
追肥として春と秋に緩効性化成肥料を少量与えます。
あまりたくさんの肥料を必要としません。与えすぎないように注意しましょう。
花後の手入れ
花後、花茎はそのままにしておいてもかまいません。
枯れた花茎が気になるようであれば切り取りましょう。
植え替え
繁殖力が旺盛で地下茎でどんどん増えます。
鉢植えの場合は、毎年一回り大きい鉢に植え替えましょう。
地植えの場合、数年間は植えっぱなしにできます。
混み合って花つきが悪くなったら株分けを兼ねて植え替えします。
おおよそ3~4年に1回が目安です。
適期は春と秋。
シランの栽培記録
※東北地方北部で栽培
4月下旬。ソメイヨシノの花が咲き終わる頃に芽が出てきます。
5月中旬。葉が伸びてきました。
5月下旬。ツボミがふくらんできました。
6月上旬。花は1ヶ月くらい楽しめます。
7月中旬。花がらをとらないものは種ができています。
10月中旬。種が色づいてきました。
10月下旬。黄葉が始まりました。
11月上旬。放っておくと葉は自然に枯れ落ちます。
以下、植え替えの様子
5月、隣の植物を植えている場所から芽が出てきました。
前回の植え替えから3年ほど経っているので掘り起こして株分けと植え直しをすることにしました。
地下茎は球根のような形で根がたくさん伸びています。
前年、花を咲かせた球根状の地下茎。これは処分します。
株分けしたもの。右側にあるのは古い地下茎。
このあと、長すぎる根は少し切ってから植え付けます。
シランは花を咲かせた球根の脇に新しい球根がつくられていきます。
親株の脇に子株ができる増え方はジャーマンアイリスに似ています。
【追記】
何年も植えっぱなしにしていると団子状態。
高齢になり体力の衰えを感じてきたので掘り上げるのに手間取るようになりました。
1年おきに植え替えしたほうがよいのかもしれません。
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さいごに
シランの特徴、育て方、栽培記録をまとめました。
【育ててみた感想】
・病害虫の被害なし(例外はアメリカシロヒトリ)
・真夏に直射日光が当たる場所でも葉焼けしない
・冬の防寒対策も必要なし
・日陰の庭でも大丈夫
・主な作業は、数年に一回の植え替えだけ
基本的に植えっぱなしで何もしなくても毎年花が楽しめるのが魅力。
株元がスッキリしてシュッとした草姿が好きなのでお気に入りの植物のひとつです。