スプリング・エフェメラル(Spring Ephemeral)とは早春に花を咲かせ夏には枯れてしまう植物のこと。
短い期間だけ地上に姿を現すことから春の妖精とも呼ばれます。
代表的な植物であるカタクリの特徴と育て方について調べたことをまとめました。
スプリング・エフェメラル(春の妖精)の生育サイクル
・早春に芽を出し、花を咲かせ、種や実を付ける
・葉で光合成を行い地下茎や球根に栄養を蓄える
・初夏には葉や茎が枯れて地上から姿を消す
・翌年の春まで地中の地下茎や球根の状態で休眠
地上に出ている期間は2ヶ月足らず。
およそ10ヶ月も休眠する理由は生育場所の環境にあるそうです。
※落葉広葉樹とは冬になると葉を落とす樹木のこと
※林床とは森林の地表面のこと
落葉樹の日照量は季節によって変化します。
・早春、落葉樹の葉が出る前は根元まで日光が十分届く(日当たりの良い場所)
・新芽が出てくるにつれ根元まで届く日光の量は減り暗くなる
・初夏、葉が茂るころには根元に日光が届かない(日陰の場所)
初夏以降は日陰でも育つ植物が生い茂ってきます。
スプリング・エフェメラルは早春から2ヶ月ほどの間だけ日当たりが良い環境に適応することで生き残ってきた植物といえるでしょう。
代表的な植物には、カタクリ、フクジュソウ、キクザキイチゲなどがあります。
参考サイト:ウィキペディア
カタクリは代表的なスプリング・エフェメラル
カタクリはユリ科の球根性多年草。
早春に紫色の花を咲かせます。
花が咲くまで7~8年かかる
2~7年目 1枚の葉が少しずつ大きくなる
8年目 2枚の葉になり、その年に初めて花を咲かせる
光合成できる期間が短いので花を咲かせるだけの栄養を蓄えるのに長い時間がかかります。
また、花を咲かせた翌年もかならず咲くとは限りません。
栄養が足りなければ葉を出すだけで、翌年に備えるのだそうです。
鉢植えの栽培方法
地植えの場合は落葉樹の下が適しています。
鉢植えの場合は季節によって最適な場所に移動させましょう。
植え付けの適期は休眠中の7~10月。植付けの深さは約10cm。
深くまで根を伸ばすので、深めの鉢に植え付けます。
秋から春までは日当たりの良い場所で管理します。
晩春ごろに葉が黄色くなり始めたら、明るい日陰へ移動させます。
暑さには大変弱いので、夏は涼しい日陰に置きます。
西日が当たらないように注意してください。
水やりは、土の表面が乾いてきたらたっぷりと与えます。
地上部が枯れ、休眠に入っても完全に乾かさないように気をつけましょう。
肥料は、葉が出ている間、液肥を与えます。
山菜として食品売り場で売られていることもある
鑑賞用のイメージが強いですが葉、茎、花、根もすべて食べることができます。
アクが少ないため下処理の必要はありません。
天ぷらなら、生の状態から調理することができます。
和え物や酢の物にする場合は、さっと茹でてから使います。
酢の物にするとキレイな花の色が楽しめます。
山菜特有の苦みはなく、ほんのりとした甘みが感じられるそうです。
※保護されている地域では採取できません。スーパーなどで購入しましょう。
※食べ過ぎるとお腹を壊すおそれがあるので注意して下さい。
さいごに/我が家のスプリング・エフェメラル
スプリング・エフェメラルのひとつ、カタクリの特徴と育て方について書きました。
地元にカタクリの群生地があるのに、毎年、開花を見逃しています。
花を見るならスーパーの方が確実かも?などと個人的には思ってしまいます。
お浸しで春の旬を味わうのもいいかもしれません。
ちなみに、我が家には誰が植えたのか分かりませんが「キクザキイチゲ」が地植えされています。
基本的に手入れ不要。放っておいても花を咲かせてくれる春の妖精です。
関連記事
キクザキイチゲの育て方【栽培記録】
キバナカタクリの育て方【栽培記録】
カタクリの花の名所・群生地は?開花時期と見頃情報を紹介!