サギソウ(鷺草)は空を飛んでいるシロサギ(白鷺)に似た花を咲かせる山野草です。
特徴と育て方についてまとめました。
サギソウの特徴
サギソウは、ラン科の耐寒性多年草です。
日本原産で、もとは本州、四国、九州の湿地に自生していました。
現在は環境の変化や乱獲などにより数が激減、自然の状態ではほとんどみられないといわれています。
環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されています。
ホームセンターや園芸店で販売されているのは園芸品種です。
草丈:20~40cm
開花時期:7~9月
開花期間:4~5日
【生育サイクル】
・春、芽を出し葉が伸びる
・夏、花茎が伸びて花が咲く
・花後、葉は残るが次第に枯れていく
・晩秋、地上部は枯れてしまう
・根の先にできた球根の状態で冬を越す
※花びらがギザギサしているのには理由がありました。
↓
サギソウの主要な花粉の運び手であるスズメガが、サギソウの蜜を吸う際に通常はギザギザ部分に中脚をかけて掴まる一方で、ギザギザを切除するとしばしば花びらに脚をかけることができなくなることがわかりました。つまりギザギザは花粉を運ぶスズメガの支えとして機能していたのです。
出典:サギソウのギザギザの花びらの適応的意義を解明 | 神戸大学ニュースサイト(2022/6/21)
サギソウの育て方
風通しが良く、よく日が当たる場所で育てます。
ただし、夏は西日に当てないように注意しましょう。
花が咲き終わったら、花の付け根から摘み取ります。
茎の全ての花が終わったら葉を残すように花茎を切り取ります。
晩秋になって葉が枯れたら、発泡スチロールの箱に鉢ごと入れて雨が当らない軒下に置いて休眠させます。
水やり
湿地に生えている植物なので適度な湿度を保てる環境を好みます。
水切れさせないよう水ゴケが白く乾き始める前に毎日たっぷり水をやります。
夕方に水ゴケが白く乾燥していれば、また与えます。
冬場は休眠していますが1週間に1回ぐらい水を与えて乾かさないように気をつけましょう。
肥料
春と秋に液肥を月に2回程度与えます。
開花中は与える必要はありません。
病気にかかりやすくなるので肥料は薄めに与えるようにしましょう。
植え替え
毎年、1月から3月の休眠中に行います。
用土は、赤玉土(小粒)、鹿沼土(小粒)、細かに刻んだ水ゴケを混ぜて使用します。
水ゴケだけでもかまいません。
・鉢から球根を掘り出す
・浅い鉢に数個植え付ける
・たっぷりと水を与える
・表面に水ゴケを置いて乾燥を防ぐ
さいごに
サギソウの特徴と育て方について書きました。
親が育てていたので馴染み深い植物です。
可憐な花姿が魅力的。
白い羽のような花びらを広げて咲く姿を見れば「サギソウ」と呼ばれるのは一目瞭然なんですが…。
「サギ」という鳥を知らない子供には説明してもピンとこなかったようです。
鳥の話から説明しなくてはなりませんでした。