ヒペリカムは花屋さんで一年中販売されているお馴染みの植物。
赤やピンクの実がついた枝は長い期間楽しむことができるので切り花として重宝します。
特徴と育て方について調べたことをまとめました。
切り花のヒペリカムを挿し木した栽培記録も書いています。
ヒペリカムの特徴
ヒペリカムは、オトギリソウ科オトギリソウ属の学名です。
一年草・多年草・低木のものがあり、中央アジア~地中海沿岸を中心に世界中に450種ほどが分布しています。
園芸植物として栽培されているのは低木で、美しい花や実を観賞します。
樹高:20~100cm
開花時期:6~7月
花色:黄色
実の色:赤、ピンク、オレンジ、黄、白など
主な品種には、アンドロサエマム、カリシナム(カリキナム)、キンシバイ(金糸梅)などがあります。
ヒペリカムの育て方
水はけが良く、日当たりの良い場所~半日陰で育てます。
日陰でも育ちますが枝ばかりが伸びて花つきは悪くなります。
ただし、品種によっては強い日ざしに当たると葉焼けを起こすことがあります。
鉢植えの場合、夏場は半日陰の場所に移動してください。
暑さにも寒さにも強いので、夏越し・冬越しの対策は特に必要ありません。
水やり
地植えの場合は特に必要ありません。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
肥料
地植えの場合は、生育期に入る前の3月頃と花後の9~10月頃に緩効性化成肥料を与えます。
鉢植えの場合も同じ時期に与えます。
植え付け
3~4月、9~10月が適期です。
地植えの場合は、根鉢より一回り大きな植え穴を掘り、掘りあげた庭土に腐葉土を混ぜ込んで水はけをよくします。
元肥として完熟堆肥を少量混ぜ合わせて植えつけましょう。
鉢植えの場合は、市販の培養土を使うと簡単です。植え替えは1~2年に1回を目安に行います。
病害虫
害虫は特にありません。
病気は「さび病」が発生することがあります。
切り戻し
花つきが悪いときや茎だけが伸びたときは3分の1程度を残して切り戻しましょう。
剪定
春に伸びた枝に花芽をつけるので剪定は冬(3月頃)に行ないます。
株を小さくしたい場合は、地面から20~30㎝の高さで刈り込みましょう。
大きくしたい場合は、樹形を整える程度に浅く刈り込みます。
増やし方
挿し木と株分けで増やすことが出来ます。
【挿し木】
適期は、開花前の5~6月。
・枝を10cmていどの長さに切り取る
・先端の葉を2~3組残して下部の葉は摘み取る
・ツボミがついていれば切り取る
・30分ほど水にさして水揚げをする
・赤玉土小粒や挿し木用土に挿す
・明るい日陰に置いて水を切らさないように管理する
【株分け】
適期は、3~4月と10月。
株を堀り上げて、適当な大きさに分けて植え付けます。
ヒペリカムの栽培記録
2020年に挿し木、2024年に苗から育てたときの記録です。
切り花の枝を挿し木する
切り花のヒペリカムを使って挿し木できるという話をききました。
適期ではないので(7月)成功する可能性は低いですが試してみることにしました。
ちなみに、今後1週間の気温は最高25℃前後、最低は19~20℃の予想。
梅雨明けはしておらず、曇りや雨の日が多いようです。
2020年7月19日。実を取って枝を10cm位の長さに切りました。
水揚げ後、庭土を入れた容器に挿しました。
その後、10日ほど経っても新芽は伸びてきません。
8月上旬、試しに1本に触ってみるとスポッと抜けてしまいました。根は出ていません。
残った挿し木を処分する気になれず、放っておきました。
さらに数日経って片付ける決心をして抜いてみようとしたら手ごたえを感じます。
抜き取った茎をみると根が出ていたので、あわてて元に戻しました。
残り2本も茎を抜こうとすると手ごたえを感じるので根が出ていると考えてよいのでしょう。
5本挿して3本発根という結果。私にしては上出来です。
根が出た苗木をそれぞれ別の鉢に植え替えたいところですが今後1週間は真夏日が続くとのこと。
植え替えするのは、もう少し暑さが和らいでからのほうが安心かと思っています。
混みあってきたので8月23日に植え替えしました。
10月31日。
新芽が出ないまま秋になりました。
紅葉した後、葉は落ちてしまいました。
苗の置き場所を屋外と屋内2つに分けて冬越しさせました。
・屋外(風と雪から守るため囲いをする)
・屋内(玄関)
2021年3月20日。
屋外で管理していた苗は土を乾かしてしまい枯れてしまいました。
屋内に置いていた苗から新芽が出ましたが、生育が悪く枯れてしまいました。
苗から育てる
2024年6月。ネットで購入(9cmポット苗)。
品種名:マジカルレッドスター(実の色:赤~ピンク)
生長すると40~60cm。購入時の草丈は約20cm。
6月中旬。花が咲きました。
6月下旬。
花びらが散って実が色づいています。
別の枝先にツボミができていました。
7月上旬。ツボミが枯れてしまいました。
気になっていたのが、土に水がしみこみにくく数日間は湿った状態が続くこと。
水やりの回数を減らし乾燥気味に管理していました。
しかし、
・購入時についていた実が茶色になった
・葉のふちが茶色になって触ると落ちる
という事態になって根腐れを疑うようになりました。
用土は市販の培養土を使ったので問題ないと思っていたのですが。
このまま放っておいたら枯れてしまうかしれません。
茶色になった実がついていた枝は半分ほどに切り詰めました。
鉢から取り出し、地植えにしました。
あとは枯れないでくれることを祈るばかり。
7月中旬には葉がすべて枯れ落ちてしまいました。
しかし、新芽が出てきたので抜き取るのは中止。このまま様子をみることにしました。
8月上旬。新しい葉が育ってきたので、ひと安心。
9月中旬。ずいぶんと枝が伸びました。
10月上旬。ツボミが付きました。
10月中旬。開花。
10月下旬。実が色付いてきました。
さいごに
ヒペリカムの特徴と育て方、栽培記録を書きました。
花屋さんでみかける赤やピンクの実がついた枝というイメージが強くて、どんな花が咲くのか、想像したこともありませんでした。
ネットで花の写真をみて、見たことがあると思ったら街路樹の根元に植えられている植物でした。
意外と身近なところにヒペリカムの仲間が植えられていたというわけです。
寒冷地で冬は雪に埋もれてしまいますが防寒対策が必要ないというのがいいですね。
自宅のグランドカバーとして育ててみるのもよいかもしれません。
ちなみに、Hidcote(ヒドコート)という品種名、我が家で育てているイングリッシュラベンダーと同じ品種名です。
学名はラテン語だそうですから「ヒドコート」というのは共通する特徴から名付けられたものかも?などと思っています。
関連記事
イングリッシュラベンダーの特徴と育て方