イベリスは春に小さくて可愛らしい花を咲かせる植物です。
今回はイベリスの特徴と育て方について調べたことをまとめました。
1年草イベリス ウンベラータと宿根イベリス(センペルビレンス)の栽培記録も紹介します。
イベリスの特徴
イベリスは、イベリア半島~地中海沿岸が原産地、アブラナ科の植物。
名前はイベリア半島に自生していることが由来となっています。
英名:キャンディタフト(Candytuft)
「お菓子の花」という意味。花の咲く様子から名付けられました。
和名:マガリバナ(屈曲花)。
茎が日の当たるほうへ曲がってしまう性質から名付けられたといわれています。
トキワナズナ、トキワマガリバナとも呼ばれます。
草丈:20~40㎝
開花期:4~6月
花色:白、赤、ピンク、紫
花びらは4枚ついていますが外側2枚が大きく内側2枚が小さくなっているのが特徴。
1年草と多年草があります。
1年草タイプ
代表的な品種:ウンベラータ、アマラ
花が咲いた後、暑くなると枯れてしまいます。
多年草タイプ
代表的な品種:センペルビレンス
宿根イベリスの名前で販売されることもあります。
常緑性なので冬でも地上部は枯れません。
草丈は1年草より低い20~30㎝程度。
横に広がるのでグランドカバーになります。
乾燥気味を好むのでロックガーデンに使われることもあります。
多年草イベリスの育て方
春に出回るポット苗を購入して植え付けましょう。
日当たりと水はけのよい場所で管理します。
地植えの場合は、事前に、腐葉土、苦土石灰、緩効性肥料を土に混ぜ込んでおきます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使います。
ポットから苗を取り出したら根についた土を崩さないようにして植え付けてください。
水やり
地植えの場合は、特に水やりの必要はありません。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
過湿を嫌うので、乾燥気味に育てるのがポイントです。
肥料
肥料はあまり多く必要としません。
与え過ぎると茎がヒョロヒョロと伸びたり花つきが悪くなることがあります。
植え付ける時に元肥として緩効性肥料を与えたあとは、生育をみながら液体肥料を補助的に与えます。
花がら摘み・切り戻し
咲き終わった花がらは摘み取ります。
梅雨時は株が蒸れて枯れやすくなります。
花が終わったら切り戻しをして風通しを良くしておきましょう。
増やし方
挿し芽で増やすことができます。
適期は5月頃。
切り戻しの際に切った枝を挿し穂にすることもできます。
・枝を5~10cmほどの長さに切る
・下のほうの葉を数枚取りのぞく
・節が土に埋まるように挿す
・土を乾かさないようにして半日陰で管理する
・1ヶ月ほどで根が出てくる
夏越し・冬越し
夏越し
高温多湿が苦手で、暖地では夏を越せずに枯れることもあります。
梅雨が近づいてきたら徐々に水やりの回数を減らし乾燥気味に管理しましょう。
切り戻しをして、風通しを良くしておくことも大切です。
冬越し
寒さには強く、-10℃まで耐えます。
ただ、霜に当たると枯れてしまうことがあります。
鉢植えの場合は軒下などに移動させ、地植えの場合はマルチングで霜よけしましょう。
1年草イベリス ウンベラータの栽培記録
※栽培しているところ:東北地方北部
6月23日に種まき。
1週間ほどで発芽。
発芽から約2週間後(7月13日)
日の当たるほうに茎が曲がっていくようになる。
種まきから1ヶ月後、庭に植え付け。
種まきから約2ヶ月後(8月下旬)に咲き始める。
10月31日の様子。晩秋になっても花が咲き続ける。
もうすぐ霜が降りる時期なのに、まだツボミがついている。
11月17日。数日後には初雪の予報がでているというのに満開。
翌年の春(4月中旬)、こぼれ種から発芽。
鉢に植え付け。風が吹くと倒れてしまうので割りばしと麻ひもで囲う。
宿根イベリスの栽培記録
2021年1月30日、宿根イベリス(センペルビレンス)の鉢植えを購入。
寒冷地なので夜間の冷え込みが気になるところ。
花がすぐに終わってしまわないでしょうか?
暖房器具を設置してあり夜間も10℃ほどあることからトイレに飾ることにしました。
風通しの悪さと日光不足は覚悟のうえ。春まで持ちこたえてくれるとよいのですが。
2021年2月中旬。花姿を約3週間キープ。
2月下旬。株全体に元気がなくなり花びらが散り始める。
鉢の下から根が出ている。
3月11日。花を切り取る。氷点下に冷え込むことがなくなったので玄関に移動。
4月20日。ひとまわり大きな鉢に植え替え。屋外で管理。
5月20日。開花。
秋に地植え。1mほどの雪に埋もれたが防寒対策しなくても冬越しできた。
2022年4月29日。開花。
5月15日。花が散り始めたのでザックリと草丈の半分くらいに切り戻し。
6月16日。切り戻しから1ヶ月後。
9月。中心部が枯れてきたので土を入れる。
2023年5月。開花。株の大きさが60cmほどになり見ごたえがある。
6月。花後、種ができているように見える。切り戻しをせず放置。
10月。株が大きくなったので来年の春は株分けして植えなおす予定。
さいごに
イベリスの特徴と育て方、実際に栽培した記録をまとめました。
1年草イベリス ウンベラータを実際に育ててみて思ったことは
・花を楽しめる期間が長いのが魅力
・1ヶ所にまとめて植え付けると見応えがありそう
・茎が細くて倒れやすいので支柱を立てたほうがよい
ということです。
正直いって咲き始めた時は小さな花が数個だけで期待外れかなというイメージ。
ところが放っておいたのに花数は増え、長い間咲き続けてくれたので見直してしまいました。
こぼれ種から発芽してくれたので、もう1年、育てる楽しみができたのも嬉しい。
宿根イベリスに関しては寒冷地でも冬に花が楽しめたのが良かったです。
でも、購入したのは促成栽培されたもので、本来の花時期は4~6月。
今後は、春に花が楽しめることになるのでしょう。
センペルビレンスという名前は多肉植物のセンペルビブムを連想させます。
調べてみると、センペルビレンス(sempervirens)はラテン語で、常に(Semper)、緑(virens)。
つまり「常緑の」という意味だそうです。
一方、センペルビブムのほうは同じくラテン語で、常に(Semper)、生きている (vivus) という意味だそうです。