コキアは、ふんわりとした丸い草姿と葉色の変化が魅力的。
名所でみるコキアの群生は素晴らしいですが、1株でも楽しめます。
特徴と育て方について調べたことをまとめました。栽培記録も書いています。
コキアの特徴
コキアは、西アジア~中央アジア原産、ヒユ科の一年草。
(アカザ科に分類されていたこともあります)
草丈:50~100cm
開花期:8月頃
観賞期:6~11月(紅葉は10~11月)
和名は「ホウキギ」「ホウキソウ」。昔はこの茎を乾燥させてほうきを作っていたことに由来します。
春にタネまき
初夏まで成長を続ける
手入れをしなくても自然に丸い形になる
夏に咲く花は薄い黄緑色で小さく目立たない
秋になると少しずつ紅葉
晩秋には黄金色になって枯れる
コキアは観賞用と食用の2種類があります。
鑑賞用の品種は一般にコキアとして育てられているもの。
食用の品種は鑑賞用よりも種子が大きく紅葉はしません。実を加工して「とんぶり」がつくられます。
コキアの育て方
初夏に出回るポット苗を購入して育てると簡単です。
たくさんの苗を育てたい場合はタネまきからの栽培がオススメ。
【植え付け】
苗は日当たりと水はけの良い場所に植え付けます。
鉢植えにする場合は市販の草花用土を使います。
根が傷みやすいので苗をポットから取り出すときは注意しましょう。
根鉢を崩さず、土を落とさないように植え付けます。
株間は40〜50cm。
【肥料】
痩せ地でもよく育つ植物です。
花壇に植える場合は元肥を施さなくてもよく、追肥も必要ありません。
養分が多すぎると株がひょろひょろと軟弱に育ちます。
【水やり】
多湿が苦手なので、地植えでは水やりの必要もありません。
【支柱】
地上部が大きくなる割に、それほど深く根が張りません。
苗が幼いうちや大きめに育ったときは注意が必要です。
風や雨の影響で倒れてしまわないよう支柱を立てたほうがよいでしょう。
【タネから育てる場合】
適期は4~6月。発芽適温の20℃になってからまきます。
タネが小さいのでセルトレイにタネまき用の土で植えるのをオススメします。
発芽がそろったら9cmポットに植え替え、10〜15cmほどに育ったら庭や鉢に植え付けます。
コキアの栽培記録
5月3日。発芽適温になったのでタネまき
5月6日。3日目で発芽
5月21日。15日目
5月29日。23日目。成長が遅い気がする。地植えと鉢植えにする。
6月14日。40日ほど経った。草丈7cm。大きくならない。
6月17日。苗を購入。草丈25cm。
6月22日。タネから育てた苗。草丈5cm。
7月3日。
7月14日。左側(タネから育てる)草丈30cm。右側(苗から)草丈35cm。
8月4日。左側(タネから育てる)のほうが大きくなった。
8月8日。
2株が野良猫に掘り起こされ、ひっくり返った状態に。植えなおす。
翌日、再び同じ株が被害にあったので別の場所に植え替え。
1株は枝が折れただけなので同じ場所で育てる。
8月18日。別の場所に植え替えた株。折れた枝は茶色になって枯れる。
8月23日。枝に小さな粒粒がたくさんついている。
9月8日。花が咲いた。大きさ1~2ミリ。
9月30日。上半分が紅葉。
9月30日。鉢植えの紅葉(タネまきから育てた株)。
・5月上旬、発芽適温になったのでタネまき。3日で発芽。
・6月中旬、大きくならない。生育不良か?
・7月、25℃以上の日が増えるにつれ、ぐんぐん伸びる。
・8月は高温少雨(猛暑日が11日間。真夏日が約30日間)だったが葉焼けはなかった。
・9月も平年より気温が高い。紅葉は下旬から。
枯れたコキアを利用してホウキを作る
10月下旬。枯れた株を掘り起こす。
右側の2本は地植えした株。左側の3本は鉢植えの株。
鉢植えの株が大きく育たなかったのは鉢が小さかったことが原因かもしれない。
枝の量が少ないのでミニサイズのホウキを作ることにした。
根の部分を切り落とす。
茎を持ち手にするため株元の方から10~15cmほどの部分の枝を切る。
持ち手部分に麻紐を巻きつける。
穂先を切って長さを揃えて完成。
作業台などちょっとしたスペースの掃除には使い勝手が良かった。
2年目のコキア/こぼれダネから発芽
2024年4月上旬。こぼれダネから発芽。昨年、苗から育てた株のものだと思う。
5月上旬。
5月下旬。
小石だらけの瘦せ地でも順調に育っている。
去年、育ち具合が悪いと心配していたのがウソのよう。
混みあってきたので間引いて4株だけ育てることにした。
7月上旬に野良猫に倒され、無事だったのは1株だけ。
猫が手出しできないよう支柱を立ててヒモでしばる。
8月上旬。草丈80cmほど。草姿が丸くなってきた。
8月下旬。支柱が見えないくらい葉が茂り丸い草姿になる。大きさを比較するためビールケースを隣に置いてみる。
9月下旬。葉色が薄くなる。右側の小さい株は7月に発芽した苗。
10月上旬。色づいてきた。
同じく10月上旬の株。葉が少なくスカスカ。
タネまきから育てた株のこぼれダネから発芽したものだと思う。
枯れたコキアは剪定バサミでは切れないほど茎が太くなっていた。ノコギリで切る。
2024年は株が大きく育ったので枝の数が多い。
株を丸ごとひとつ使って柄が長いホウキを作ってみた。
さいごに
コキアの特徴と育て方、栽培記録をまとめました。
なぜか、寒冷地では育ちにくいと思い込んでいた植物です。
ところが青森県内で野生化したコキアが生えていたという新聞記事を読み育ててみようと思った次第。
意外だったのは、実際に育てはじめたら公園や近所の家の玄関先など身近な場所に植えられているのに気づいたこと。
植物に限ったことではありませんが、
「見えているのに見えない」「見えているのに気がつかない」ということは案外多いのかもしれません。
2年目のコキアは、こぼれダネからの発芽が予想以上にたくさんあってビックリしました。
タネの採取をしなくても枯れるまで放っておけば来年も楽しむことができそうです。