ノリウツギ(ピラミッドアジサイ)は夏から秋にかけて円錐状の花を咲かせる樹木です。
特徴と育て方について調べたことをまとめました。
ノリウツギ(ピラミッドアジサイ)の特徴
ノリウツギは北海道から九州の山地の林縁や湿地に自生するアジサイ科(※)の落葉低木。
※ユキノシタ科で分類される場合もあります。
樹高:3~4m
花色:白
耐寒性:強い
耐暑性:強い
円錐形の花房が特徴で、別名「ピラミッドアジサイ」とも呼ばれます。
一般のアジサイに比べて「開花期が遅い(7月から9月)」といった違いもあります。
ライムライトやピンクの花色の品種などがあります。
ちなみに、ノリウツギは漢字で「糊空木」と書きます。
・「糊」は、樹皮の内皮からでる粘液を和紙づくりに使ったことから
・「空木」は、枝が空洞になっていることから(空ろな木⇒空木)
というのが名前の由来になっているそうです。
調べてみると空洞ではなく中心に「髄」とよばれる部分があることがわかりました。
※補足:髄(ずい)とは
・動物の骨の中心にある黄色の柔らかい造血組織。骨髄。
・植物の茎の中心部の維管束に囲まれ柔組織からなる部分。
・物事の中心。要所。奥義。神髄。
ノリウツギの「髄」は柔らかいので取り除くのが簡単だったようです。
昔は、管状になったものを使い、パイプや煙管(キセル)を作ったという話もあるようです。
似た名前の植物にアジサイ科ウツギ属のウツギ(空木)があります。
ウツギは本当に空洞になっているそうです。
・タニウツギ(谷空木):タニウツギ科
・バイカウツギ(梅花空木):アジサイ科
このように違う植物でも名前に「ウツギ」がついているものもあります。
名前の由来は、枝の中心部が空洞になってる場合もあれば、花や樹形がウツギに似ている場合もあるそうです。
ノリウツギ(ピラミッドアジサイ)の育て方
水はけの良い半日陰の場所で育てましょう。
日当たりの良い場所を好みますが夏場の直射日光があたると株が弱ってしまいます。
1日に数時間、日光が当たるところなら十分開花します。
植え付け適期は落葉期の11月から3月。
日本に自生している植物なので特に土質は選びません。
鉢植えは市販の培養土を使うと簡単です。
水やり
鉢植えの場合、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。
地植えの場合は特に必要ありません。
ただし、植え付けてから2年未満の株は雨が少なく土の表面が乾くようなら水やりをおこなってください。
肥料
与える時期は1~2月と花後。
地植えは油粕か緩効性肥料を株元の周辺に埋めておきます。鉢植えでは株元にまきます。
病害虫
目立った病害虫はありません。
増やし方
挿し木ととり木で増やすことができます。
ノリウツギ(ピラミッドアジサイ)の剪定
「新枝咲き」といって春に伸びた枝に花が咲くタイプです。
花芽ができる時期は4月。
7月に開花したら秋まで花を楽しんで、それから剪定をするとよいでしょう。
剪定時期は開花後の11~12月。翌年の3月までには剪定を終わらせましょう。
弱剪定/たくさんの花が楽しめる
花後に花だけを切ります。さらに秋以降~冬にかけて枝の先端を軽く切ります。
古い枝を残すので翌年の春には新しい枝がたくさん出て、花数が多くなります。
ただし、枝が多いのでエネルギーが分散されて花は小さめになります。
枝を切らない分、樹高は高くなります。
放っておいたら人間の身長より大きくなってしまったという場合は強剪定をしたほうがよいでしょう。
強剪定/樹高を低く抑える
花の後に、地表から2~3節を残してバッサリと切ります。
春に伸びる枝の数が限定されるので花数は少し減ります。
その分、新しい枝に勢いが出て花が大きくなります。
花丈がそろうので放射状の美しい樹形になるのが魅力です。
強剪定をすると樹高は1m前後に低く抑えることができます。
さいごに
ノリウツギ(ピラミッドアジサイ)について書きました。
アジサイの剪定がうまくできないのが悩みのタネ。
花をたくさん咲かせるには、どれくらい枝を切ったらよいのか、いつも迷ってしまいます。
「旧枝咲き」といって去年の枝に花が咲くタイプ。
「新枝咲き」といって春に伸びた枝に花が咲くタイプ。
このふたつのタイプがあることをまったく知りませんでした。
※我が家のアジサイは一般的なもので「旧枝咲き」タイプ
剪定で失敗することが多い私には新枝咲きのほうが向いているのかもしれません。
※ノリウツギと同じ新枝咲き。
⇒アジサイ アナベルの特徴と栽培ポイント
※ノリウツギと同じ円錐状の花房がつきます。
⇒カシワバアジサイ(柏葉紫陽花)の特徴と育て方