シャガ(射干)の特徴と育て方【ヒメシャガの栽培記録】

シャガ(著莪/射干)の花

シャガ(射干/著莪)は春にアヤメに似た花を咲かせる植物です。

日本各地の山林などで普通に見られ古くから親しまれてきました。

シャガの特徴と育て方、近縁種のヒメシャガを育ててみた感想をまとめました。

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シャガの特徴

シャガ(著莪/射干)の花

シャガは中国原産のアヤメ科の常緑多年草。

日本には古い時代に渡来したといわれ、帰化植物のひとつです。

草丈:30~70cm
開花期:4~5月
花色:白、薄紫色

細長い葉を扇状につけ、葉の中心部から花茎を伸ばし花を咲かせます。

丈夫で日当たりの悪い場所でも育ちます。

地下茎を伸ばして増えるので日陰のグランドカバーにも適しています。

シャガの群生地
以下のような名所があり一面に花が咲く様子は圧巻のひとこと。
・京都府綾部市 「水源の里 老富(おいとみ)」
・埼玉県比企郡ときがわ町 「慈光山歴史公苑」
・福島県いわき市高倉町 「高蔵寺」

【タネをつけない理由】
※以下は、ネットで見つけた情報です。

日本のシャガがタネをつけないのは染色体が三倍(三倍体)だからだそうです。

一般的に人間も含めた多くの生物は二倍体です。

これは、父親からの遺伝子1セットと母親からの遺伝子1セット、あわせて2セットの染色体をもっているという意味。

ところが、植物の場合は染色体が二倍になる四倍体の植物があるそうです。

そして、二倍体植物と四倍体植物から雑種ができると三倍体になります。

タネができるかどうかは染色体の数がきっちり半分になるかどうかで決まります。

・四倍体植物はタネができる
・三倍体植物は奇数なのでタネをつくることができない

三倍体植物は、自然界でもできますし人工的に作ることもできます。

例えば
・「種なしスイカ」は人工的に作られた三倍体植物
・「バナナ」は自然界でできた三倍体植物

バナナにタネがないのは当たり前と思っていましたが…。

販売されているバナナにタネがないのは三倍体だからだそうです。

二倍体のバナナは実がもっと小さくタネがぎっしりと詰まっているのだとか。

食用品種のバナナはタネができないので挿し木で増やすそうです。

三倍体の植物は花ではヒヤシンス、カンナ、チューリップなど。

ただし、すべてが三倍体というわけでなく二倍体、四倍体の品種もあるらしいです。

三倍体はタネに使われるエネルギーが成長に用いられるため大きく育つのがメリット。

そのため、果物や野菜の品種改良で三倍体が作られることも。

タネを取ることができないので、接木や球根など栄養繁殖を利用して栽培されています。

シャガがタネをつけないのは三倍体しかないからというのはなんとなく理解できました。

仮に、二倍体も存在していたなら、たくさんの品種がうまれていたかもしれませんね。

日本に存在する全てのシャガは同一の遺伝子を持っているという話から私はソメイヨシノのことを思い浮かべました。

※全国のソメイヨシノは同じ遺伝子のクローンだという話
桜の開花宣言に使われる標準木とは?ソメイヨシノが標本木に選ばれる理由!

シャガの育て方

シャガ

湿り気がある半日陰を好みます。

ただし、全く光が当たらないと花つきが悪くなります。

大きな木の根元などの明るい日陰に植えるとよいでしょう。

水はけがよければ土質は選びません。

鉢植えでは市販の草花用培養土を使うと簡単です。

水やり

地植えの場合は、特に必要ありません。

鉢植えの場合は、常に湿った状態は避け、表土が乾き気味になったらたっぷりと与えます。

肥料

地植えの場合は、特に必要ありません。

鉢植えの場合は、花後に緩効性の固形肥料を与えます。

病害虫

ほとんどありません。

植え替え

繁殖力が非常に強く根詰まりを起こしやすいので鉢植えの場合は毎年植え替えます。

地植えの場合は、特に植え替えの必要はありません。

混みあってきたら、3年を目安に掘り上げて株分けします。

増やし方

タネをつけない植物なので株分けで増やします。

植え替え時に、3~5芽で1株になるように分けて植え付けます。

ヒメシャガを育ててみた感想

ヒメシャガ
【基本情報】
ヒメシャガ(姫射干)はシャガの近縁種で日本特産の多年草。

草丈は20~30cmと低くシャガに似た花を咲かせます。

シャガと同じアヤメ科ですが次のような違いがあります。

・シャガの葉は光沢がある。冬でも葉が残る常緑性
・ヒメシャガの葉は光沢がない。冬は葉が枯れる落葉性

・シャガはタネをつけない
・ヒメシャガはタネをつける

ヒメシャガ
※栽培地域:東北地方北部

地植えで育てたことがあります。

夏場の直射日光が当たる場所でしたが、毎年花を咲かせてくれました。

病害虫の発生は、なし。

放っておいても問題なく育ってくれるのでズボラな私にとってはありがたい植物です。

雪が積もる冬の間、地上部は枯れているので防寒対策の必要はありません。

ただ、生育旺盛でどんどん増え広がっていきます。

3年に1回くらいは掘り上げて株分けし植えなおしたほうがいいです。

さいごに

シャガ

シャガの特徴と育て方、ヒメシャガを育ててみた感想を書きました。

実は、ヒメシャガの名前を知らずに長い間育てていました。

なので手入れの方法も知らず日当たりの良い場所に植えっぱなしにしていたわけです。

日陰のグランドカバーとして植え付ける場所を変えてみるつもりです。

ちなみに、タネができることを知らず咲き終わった花茎は切り取っていました。

もっとも、放っておいても株はどんどん増えていきます。

こぼれダネで更に増えたら植え付ける場所がなくなってしまうかもしれません。

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