スズラン(鈴蘭)の花が咲かない、花つきが悪くなった原因と翌年に花を咲かせるための栽培ポイント、有毒成分について調べたことをまとめました。
スズランの花が咲かない原因と対策
「日光不足」「肥料の過不足」「地下茎が混みあっている」「花後すぐに葉を切り取った」
この4つが主な原因として考えられます。
日光不足
基本的に日当たりの良い場所を好む植物です。
日陰で育てると日光不足で花が咲かないことがあります。
日向、あるいは午前中は日が当たる場所で育てましょう。
ただし、夏場の強い日差しは苦手です。
落葉樹の根元などに植え付けるとよいでしょう。
※落葉樹の根元は春は日光が届きますが夏は落葉樹の葉が成長するので半日陰になります。
鉢植えの場合は風通しの良い日陰に移動させてください。
強い乾燥に弱いので夏場は乾かしすぎないよう注意しましょう。
水枯れをおこすと葉が早く枯れてしまい花芽ができにくくなります。
肥料が少ない・与え過ぎ
地下茎に花芽(花になる芽)と葉芽(葉や茎となる芽)をつけます。
花が咲き終わってから1ヶ月間は化成肥料を与えるようにしましょう。
肥料が不足すると花数が減ったり花がつかなくなることもあります。
ただし、与え過ぎには要注意です。
もともと痩せた土壌に自生している植物なので与える量は控えめにします。
地下茎が混みあっている
長期間、植えっぱなしにしていると地下茎が混みあって生育が悪くなります。
地植えなら3~5年、鉢植えなら1~2年に1回を目安に植え替えしましょう。
適期は10月下旬~11月。
株分けも一緒に行います。
花後に葉を切り取った
花後に葉をすぐに切ってしまうと光合成をして養分を地下茎に蓄えることができません。
年々、株が小さくなっていきます。
花がついている茎は根元から切り、葉は秋に枯れるまでそのまま残しておきます。
スズランの特徴/増えすぎて困ることもある?
スズランはユリ(キジカクシ)科の多年草。
原産地は、ヨーロッパ、東アジア、北アジアです。
日本では、本州中部以北、東北、北海道に自生しています。
日本原産のスズランは花茎が短く葉の陰に隠れるように小さな花を咲かせます。
香りもあまり強くはありません。
一般に園芸店で販売されているのは、花も葉も大きく香りが強いヨーロッパ原産のドイツスズランです。
花色は、白、ピンク。八重咲き、斑入り葉の品種もあります。
開花期:5~6月
草丈:15~20cm
春に芽を出し花を咲かせる
花後に実をつける
秋に葉が枯れて地上部がなくなる
冬は地下茎の状態で休眠
地下茎が横に這い、地上に茎を伸ばして増えていきます。
庭に植えたまま放置しているとどんどん広がって困る…ということもあるようです。
冷涼な気候を好み寒さには強いですが、高温多湿には弱いです。
暖地では季節に応じて置き場所を変えられる鉢植えのほうが管理しやすいかもしれません。
毒成分:コンバラトキシンやコンバロシドなど
全草に含まれますが、特に花や根に多く含まれます。
スズランを活けた水にも毒成分は溶けだします。
誤って活けた水を飲んで死亡した事故も起きています。
花粉が食べ物に落ちてしまっただけでも毒性を発揮するようです。
ネコや犬にとっても毒なので気をつけてください。
葉を食べたり、体についた花粉をなめるという可能性もあります。
さいごに
ずいぶんと昔ですが、植えっぱなしにしていたら花が咲かなくなったことがあります。
春に芽を出す株も年々少なくなって、いつの間にか消えてしまいました。
もう一度、育ててみたくなったので花が咲かない原因と対策について調べてみた次第です。
植え付けていたのは日陰で比較的ジメジメした場所でした。
芽が出なくなったのは生育環境が合っていなかったが原因でしょう。
毒のある植物は、ドラマや漫画、小説にたびたび登場します。
意外と身近にあるので驚かされることも多いです。
育てている植物の毒性の有無を知っておくことは大事ですね。