ざる菊は丸い形の株に黄、赤、白など色とりどりの花が咲き誇る姿が特徴。
ひとつの株でもインパクトがありますが数百から数千株のざる菊が咲くようすは絶景ですね。
自宅で同じような丸い形の菊を育ててみたいと思って購入したドーム菊の栽培記録を紹介します。
「ざる菊」とは
ざる菊は、大きさが直径50~100cmほどの丸形状になり、1株に4,000個ほどの花を咲かせます。
その姿が、ざるを伏せたように見えることが名前の由来。
ざる菊の先祖は洋菊のクッションマムで品種改良をして現在のざる菊になったといわれています。
開花期:10月下旬~11月上旬
花色:黄、赤、白、紫、ピンク、オレンジなど
株の最初は1本で成長につれてどんどん枝分かれをし最終的に分かれた枝の先端に花を付けます。
神奈川県を中心に個人の庭や畑などで栽培され見頃時期になると一般開放されることが多いようです。
【ざる菊の名所と見頃】
◆小出川のざる菊/神奈川県
例年の見頃:10月下旬~11月中旬
約500株
◆土屋ざる菊園/神奈川県
例年の見頃:10月下旬~11月上旬
約800株
◆藤沢市善行 斎藤さん宅のざる菊畑/神奈川県
例年の見頃:10月中旬~11月下旬
◆小田原市 鈴木さん宅のざる菊園/神奈川県
例年の見ごろ:11月上旬~中旬
約1,400株
◆菊の里ときわ/福島県
例年の見頃:10月下旬~11月中旬
2,500株
ドームのような丸い形に育てるには特別な育て方、管理の仕方があるのでしょうか。
小菊を何回も摘芯して枝数を増やすのかな?と思ったので調べてみました。
神奈川県相模原市南区周辺で「新磯のざる菊」を栽培しているサイトをみると次のように書かれています。
除草作業等はしていますが、株を丸く育てるために特別の手入れはしておりません。
毎度、ざる菊畑でのご質問にお答えするのは「日当たりがよく、根の成長が十分に出来るような地面と風通しが良い環境に、最初の段階で有機肥料を中心に入れてください。」
「どちらかと言うと畑や花壇などのほうが簡単に何方でも成功しやすいと思いますよ。」
出典:ざる菊栽培 Q&A | 新磯のざる菊
特別なことは何もしなくても自然と枝分かれして丸く育っていくなんて意外でした。
ドーム菊の栽培記録【2022年】
※東北地方北部で栽培
4月下旬、ドーム菊の苗3種3株のセットを通販で購入。
2号(6cm)ポット苗 草丈5cmほど。
・クリスティアナロゼ ⇒ ピンク
・ソラチネ ⇒ オレンジ
・ベリカ ⇒ 黄色
4月23日。手持ちの5号鉢と7号鉢に植え付け。用土は赤玉土と腐葉土を6:4。
同梱の説明書に従って作業を進めていきます。
・鉢に植え替え
・芽が動き始めたら挿し芽までに数回摘芯。葉数を増やす
・5月下旬~6月上旬頃に挿し芽
5月14日。あまり伸びないので挿し芽用の枝を切り取るのは中止。
6月16日。
6月26日。苗のひとつにツボミがついたので摘み取る。残りの苗は摘芯をする。
7月1日。9号鉢2つ、7号鉢1つに植え替え。市販の草花用培養土を使用。
8月1日。ツボミがついたので7月中に1回摘み取る。
10月1日。
11月1日。
5号鉢に植え付けたピンクが一番はやく開花。
ツボミがついたのに満足して放っておいたら内側の葉が枯れてしまう。
11月15日。
12月1日。
ピンクの株は咲き終わる。前日に雪が降ったため室内に取り込む。
12月28日。
花が枯れてきたので切り落とす。
オレンジの花(ソラチネ)を咲かせた菊の株元。冬至芽が出ていた。
黄色の花(ベリカ)を咲かせた菊の株元。確認できた冬至芽はひとつだけ。
2023年4月3日。冬越し後のようす。
オレンジのソラチネはこのまま成長すれば挿し芽ができそう。
黄色のベリカは微妙。
ピンクのクリスティアナロゼは枯れてしまった。
2年目のドーム菊
5月5日。冬越し後の株。
5月10日。2年目は地植えと鉢植えで育てることにする。
鉢から取り出し、株分けして鉢に植え付け。
長く伸びた茎はビニールポットに挿し芽。
約1ヶ月後に地植え(3株×2列)。
11月14日。
地植えは満開。鉢植えは咲き始め。
11月23日。
【2年目の感想】
鉢植えも地植えも、あえて摘心を1回もしないで放置。
昨年と同じような丸い形で花を咲かせてくれるかな?と様子をみていました。
その結果、鉢植えは枝数が少なくスカスカ、ボサボサの草姿。
一方、地植えは花数が多くてボリュームがあり、丸くまとまった形になりました。
日当たりに関しては同じ条件のはずなのに、こんなふうに違いがでたのは驚きでした。
2024年はすべて地植えにしたほうがよさそうです。
さいごに
「ざる菊」を知ったのは2019年11月に放送された朝の情報番組。
神奈川県二宮町の善波ざる菊園が紹介されていました。
丸い形をした株いっぱいに菊の花が咲いている姿は素晴らしいですね。
自宅の庭や玄関脇に丸い形をした菊の花を咲かせることができたら楽しそう。
というわけで、丸い形の菊を育てるにはどうしたらよいのか調べてみました。
小菊を何回も摘芯すればドーム状にすることは可能だと思っていたのですが。
すべての花芽を同じように成長させ開花させるのは、とてもむずかしく技術が必要なのだとか。
ざる菊に似た菊は、ボサ菊、ドーム菊、クッションマムなど様々な呼び名で販売されています。
分枝性が強く自然にボール状にまとまるので摘芯をする必要がない品種もあります。
私のように菊の栽培に慣れていない人は専用の品種を育てたほうがよいかもしれません。
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